第27回受賞作品 [ジュニアの部]
審査総評
今回は、応募総数が減少した反面、学校数は少し増加しました。一校で多くの作品を出品していただいていた学校の応募が無くなったことは残念ですが、学校数が少しでも増加したことは、今後に期待が持てそうです。
今回の審査で感じたことは、木の素材を活かした力作が多いということでした。また、キットを組み立てたような作品がほとんどなく、独創的な作品が多かったこともうれしく思いました。反面、以前は多く出品されていましたが、木の枝をそのまま利用するなど、自然素材を活かした作品が姿を消しました。また、機械を使った作品が多く、そのぶん、技術的に優れた作品が増えましたが、彫刻刀や、やすりなどを使った手作業が見えるような作品がもっとほしいなと思いました。
彫刻家 磯尾 隆司
グランプリ
作品名 / ゴジラ
氏名 / 松井 竜輝(丹波市立東小学校 6年生)
【作者コメント】
大きな木を切ってけずって、みがいていくのが大変でした。
バランスを見ながら形をつくるのがむずかしいです。
【講評】
4年連続の入賞で、今年はついにグランプリに輝きました。学年が上がるごとに、作品の規模も力強さも確実に向上しています。審査会場の中でもひときわめだった作品で、その迫力に審査員一同、圧倒される思いでした。大きなかたまりをうまく組み合わせ、ゴジラの力強い感じが良く表現されています。しっぽを宙に浮かせて、二本足だけでしっかり立っているバランスの良さにも感心しました。荒いやすりの跡がはっきり見えたり、作者の気持ちがストレートに伝わってくる作品です。
彫刻家 磯尾 隆司
準グランプリ
作品名 / カタカタ人形
氏名 / 岡川 真穂、廣永 梨帆(徳島県立徳島科学技術高等学校 1年生)
【作者コメント】
カタカタ人形の種類をたくさん作るのが楽しかった。上手く人形がカタカタ下まで行くように、棒と棒の間隔を決めるのが難しかった。
糸ノコで人形や枝・草を作るのと、木の厚さや長さを考えながら計算するのが難しかったが、作品が完成して、人形がカタカタ下まで行ったときはうれしかった。
【講評】
木の人形がカタカタ音を立てながら上から下りてくるこの仕掛けの玩具は、ドイツでは優良玩具として子供たちに親しまれています。それをひと工夫して楽しい作品に仕上げましたね。シンプルな人形を楽しい動物たちに作り変え、動物たちが下りる板の横には枝を取り付けて樹に見立て、動物たちがカタカタ音を出しながら下りてくる。子供たちはきっと大喜びするでしょう。
日本玩具博物館 館長 井上 重義
準グランプリ
作品名 / 魚のオセロ
氏名 / 宮地 美月(愛知県立名古屋聾学校 3年)
【作者コメント】
私は魚を見るの好きなので、「魚のオセロ」を作ろうとしました。
糸のこで魚の形を64個切ることが一番苦労でした。数が多いので、
時間がかかりましたが、最後まで頑張りました。
【講評】
オセロというボードゲームの基本的な形ですが、まず工作の丁寧さに目を奪われます。 それはゲーム盤のみならず、コマ(石)を仕舞う箱にまでセンスの良さが出ています。 魚の形も可愛らしく、年齢を問わず楽しめそうです。
しかしながら、白黒で分けられるのであれば、コマ(石)の形にバリエーションがあったり、箱の留め金具も木工で仕上げるなどすると、ユニークさが増すかもしれません。
三田市中学校美術科教諭 大前 勝彦
優秀賞
丹波市長賞 アルファベットZOO 西宮市立今津中学校 美術部
丹波市議会議長賞 生き物の楽園 川中 波(三田市立あかしあ台小学校 4年生)
丹波市教育長賞 お弁当箱 上田 華奈子/藍川 あさひ/石井 優衣/宮本 唯/原田 良平(徳島県立徳島科学技術高等学校 1年生)
特別賞
三木工業協同組合理事長賞 花札 福原 朱莉(三田市立あかしあ台小学校 5年生)
佳作
丹波の森ウッドクラフト展実行委員長賞 鳥の森 近藤 誠(埼玉県立特別支援学校 大宮ろう学園高等部 産業工芸科 3年生)
丹波の森ウッドクラフト展実行委員長賞 大きなどんぐり まつぼっくり 宮坂 維(東京都立工芸高等学校 3年生)
丹波の森ウッドクラフト展実行委員長賞 ゆめのまち 大森 春菜
学校賞
(公財)兵庫丹波の森協会理事長賞 鳥取県日野町立根雨小学校
館長賞
兵庫県立丹波年輪の里館長賞 跳び箱型物入れ 井上 桃華(神戸市立雲雀丘中学校 1年生)
出展校数:19校 / 出展作品数:125点
審査員
【審査委員長】 日本玩具博物館 館長 井上 重義
彫刻家 礒尾 隆司
三田市中学校美術科教諭 大前 勝彦