第34回受賞作品 [ジュニアの部]

審査総評

 コロナ禍でウッドクラフト展にも影響がありましたが、本展の趣旨である「遊び心を感じる、木の素材を生かした、個性豊かでわくわくするような、オリジナル作品」が今年も集まりました。
昨今、学校生活の環境も大きく変化し、製作時間も削られ、発想豊かに自由なスケールの大きな作品を手がけることが難しくなってきたと思います。
しかし現在、外出も可能となり、家庭においては自然に触れる機会や自由に研究できる時間が増え、発想とアイデアを出しやすくなった利点はあります。
今年は、スケールの大きな作品は少ないですが、小学校低学年による作品に原木を使うなど、素材を生かした端材や身の回りにある竹串・割り箸等を用い、発想とアイデアの詰まった作品が多く、レベルの高い作品が目立ちました。
今後も、学校生活や在宅時間を有効に使い、想像力豊かなわくわくするオリジナル作品を探求してくれることを願っています。

前西宮市中学校校長 岡本 悦司

グランプリ

作品名 / 時代すごろく
氏名 / 大森 春菜(丹波市立南小学校 6年生)

【作者コメント】
 糸のこでななめに切るのが初めてで難しかった。歴史が楽しかったから作りました。

【講評】
 この作品は、旧石器時代から現代までの日本の歴史をジオラマで表現しており「すごろく」として楽しめるものです。板やウッドビーズ、木の実、稲わらなど多様な素材を適所に効果的に使って仕上げられています。
圧倒的なスケールの大きさはもちろんですが、作品全体が上手くまとめられていますし細部まで丁寧に作られており、長期間にわたり研究し試行錯誤を重ねながら作り上げられたことがうかがえる作品です。
連続のグランプリ受賞ではありますが、気を緩めることなく今回も全力で挑戦しているところがとても素晴らしいと思います。この努力が作者の豊かな将来へと繋がっていくことを願っています。
玩具作家 濱田 昭文

準グランプリ

作品名 / ゆらゆらどっぐ
氏名 / 照沼 葉月(東京都立工芸高校 3年生)

【作者コメント】
 胴体、頭、しっぽが全てがつながっているので、ベルトサンダーでの作業がとても大変でした。大きいのでどうしても凸凹ができてしまい、目の荒いやすりを使って表面をきれいにしました。また、耳やハンドルは、胴体とは別で作ったので、組み立てたときに一気に形が見えてうれしかったです。
完成に試しに乗ってもらいましたが、楽しそうに遊んでくれたので、作って良かったなあと思いました。

【講評】
 子どもが乗って遊ぶロッキングホースです。木を3枚貼り合わせて製作していますが、頭部・胴体・尻尾を別々に貼り合わせたことで、3つの部分を色分けしています。これがよくマッチングしていて、かわいいデザインとなり、早くこれで遊びたくなります。また、木のエッジやコーナーに丸みをつけるため、ベルトサンダーを使用して、研磨した苦労の跡を見ることができ、この丸みにとても暖かみを感じます。ただ、安全面から木ねじがむきだしになっていることが少し気になりました。
前西宮市中学校校長 岡本 悦司

準グランプリ

作品名 / 森のオルゴール
氏名 / 山本 芽生(丹波市立春日部小学校 6年生)

【作者コメント】
 流しそうめんで使った竹とそうめんの箱を使って作りました。今年は使ったことのない機械を使いました。手に穴があきそうで怖かったけどきれいに出来ました。ドレミファソラシドの音を合わせるのが大変だったけどできたときとってもうれしかったです。

【講評】
 細い角材と竹板だけのシンプルな材料ながら角度や隙間に狂いがなく、頑丈に組んであります。ドラムの回転も滑らかでピンも大変丈夫に付いています。音階の設定も苦労したと思いますが、正確にできています。動く工作で最も大切な要素であるスムーズに動くことと、繰り返し使っても壊れない強度を兼ね備えた優れた作品です。
彫刻家 磯尾 隆司

優秀賞

  丹波市長賞  ハイレックス(廃レックス)  升川 旺祐(西宮市立津門小学校 1年生)

  丹波市議会議長賞  みそとだしの2だんベット  細見 与都(丹波市立黒井小学校 2年生)

  丹波市教育長賞  テラノサウルス  荻野 朔(丹波市立船城小学校 1年生)

特別賞

  三木工業協同組合理事長賞  キックトライク  古川 琴葉(東京都立工芸高等学校 3年生)

佳作

  丹波の森ウッドクラフト展実行委員長賞  ツリーハウス  門内 陸(丹波市立南小学校 2年生)

  丹波の森ウッドクラフト展実行委員長賞  流木のランプ  竹村 陸玖(丹波市立黒井小学校 4年生)

  丹波の森ウッドクラフト展実行委員長賞  4色の時計  池田 世奈(荒川区立尾久八幡中学校 1年生)

学校賞

  (公財)兵庫丹波の森協会理事長賞  丹波市立崇広小学校

館長賞

  兵庫県立丹波年輪の里館長賞  クルクル観覧車  田中 理仁(西宮市立津門小学校 6年生)


出展校数:14校 / 出展作品数:75点(90名)


審査員

  【審査委員長】 彫刻家  磯尾 隆司
  前西宮市中学校校長  岡本 悦司 
  玩具作家  濱田 昭文